
このような 疑問はありませんか?
- YLやLexileって何?
- 英検やTOEICと比較できるの?
- 洋書を読んでみたいけど、どの本を選べばいいかわからない…

こんな疑問を解決できる記事を書きました。
洋書を読むコツは、自分のレベルに合った本を選ぶこと。 でも、適切な本を選ぶのは意外と難しく、「この本、難しすぎる…」と挫折してしまうこともあります。
私自身、子供と英語多読を11年間続け、約1,700万語を読破してきましたが、最も苦労したのは本選びでした。 最初の頃は、レベルに合わない本を選んでしまい、思うように読書が進まないことも…。
そんな時に出会ったのが「YL(読みやすさレベル)」と「Lexile指数」。この2つの指標の活用で、本選びの失敗が激減し、多読が継続できるようになりました。
この記事では、YLとLexileの違い、英検・TOEICとの換算、そして効果的な洋書の選び方をご紹介します。
- YLとLexileとは?洋書選びに役立つ基準
- YLとLexile指数のレベル比較
- 英検・TOEICとの換算表付き
- YL・Lexileを活用した洋書の選び方
YLとLexile、どちらも活用するのがベスト!
この記事を読めば、多読を継続するための本選びのコツがわかります。ぜひ参考にしてください!

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YLとLexileとは?洋書選びに役立つ基準

日本語の本を選ぶときは、児童書・一般書・専門書といったカテゴリーを参考にすることが多いでしょう。日本語の本は日本人向けに作られているため、大まかな分類でも迷わず選べます。
一方、洋書は読者層が多様です。英語を母国語とする人だけでなく、第二言語として学ぶ人も多いため、読者の英語力に応じて本の難易度が細かく分けられています。このレベル分けを活用することで、自分に合った本をスムーズに見つけることができます。
特に、英語学習者向けに使われる指標として、以下の2つがよく知られています。
- YL(Yomiyasusa Level・読みやすさレベル)
- Lexile(レクサイル)指数
どちらも洋書の難易度を示す基準ですが、それぞれ異なる方法でレベルを決定しています。

この記事では、この2つの指標を比較し、活用方法について解説します。
1 YL(Yomiyasusa Level)とは
YL(Yomiyasusa Level・よみやすさレベル)とは、日本人英語学習者向けに書籍の難易度を示す指標です。
SSS(Starts with Simple Stories)研究会が独自に定めており、英語多読において本を選ぶ際の目安になります。
YLの基準とは?
YLは、以下のような要素を基準に設定されます。
- 語彙や文法の難易度
- 文章の長さやつながり
- 挿絵の有無
- 文化的な背景知識の必要性
日本人学習者向けに作られた指標のため、ネイティブ向けのレベル分けとは異なり、日本人が理解しやすいかどうかも考慮されています。
2 Lexile(レクサイル)指数とは?
出典:Lexile指数(TOEFL, Lexile公式)|Amazon書籍データ
Lexile指数(Lexile Measure)は、本の難易度と読者の読解スキルを数値化した指標です。

読者が自分のLexile指数を知ることで、難しすぎず、簡単すぎない適切なレベルの本を選ぶことができます。
Lexile指数の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
開発機関 | アメリカのMetaMetrics®社 |
対象 | 英語学習者、教育機関など |
活用範囲 | 世界165か国以上 |
アメリカでの活用例
アメリカでは、小学3年生~高校3年生の約半数が、英語能力テストの結果とともにLexile指数の判定を受けています。
指数の決定基準
- 語彙や文法の難易度
- 構文の複雑さ
- 総語数
Lexile指数の範囲
一般的な指数範囲は、約150L ~ 1700Lとされています。
YLとLexile指数のレベル比較
YL(読みやすさレベル)とLexile指数は、本の難易度を示す指標ですが、それぞれの基準が異なるため、同じ本でも評価が異なる場合があります。
以下の表では、YLを基準に並べた有名な洋書の難易度を比較しています。
YLとLexile指数の比較表
順 位 | 書籍名 | YL | Lexile 指数 |
---|---|---|---|
1 | I Can Read Biscuit Loves the Library | 0.4 | 230L |
2 | Nate the Great | 1.2 | 340L |
3 | Oxford Bookworms Library Level 1:The Monkey’s Paw | 2.0 | 420L |
4 | Magic Tree House #1: Dinosaurs Before Dark | 3.0 | 510L |
5 | Diary Of A Wimpy Kid | 3.5 | 950L |
6 | Wonder | 5.0 | 790L |
7 | Harry Potter and the Philosopher’s Stone | 8.0 | 880L |
この表からも分かるように、YLとLexile指数で難易度の評価が異なることがあります。
たとえば、「Diary Of A Wimpy Kid」と「Harry Potter and the Philosopher’s Stone」を比較してみましょう。
指標 | 難易度が高い本 | 難易度が低い本 |
---|---|---|
YL | Harry Potter and the Philosopher’s Stone | Diary Of A Wimpy Kid |
Lexile | Diary Of A Wimpy Kid | Harry Potter and the Philosopher’s Stone |
YLでは、「Harry Potter and the Philosopher’s Stone」 の方が難易度が高いとされています。
しかし、Lexile指数では 「Diary Of A Wimpy Kid 」の方が数値が高く、より難しいと評価されています。このように、YLとLexile指数では「難しさ」の捉え方が異なるため、どちらの基準を選ぶかで難易度が変わってきます。

次のセクションではYLとLexileの違いを確認していきましょう。
YLとLexileの違いと特徴

YLとLexile指数は、どちらも本の難易度を示す指標ですが、それぞれ異なる特徴があります。
YL(Yomiyasusa Level)の特徴
✅ 日本人英語学習者向けに作られた指標
✅ 語彙・文法・文章のつながり・イラストの有無などを総合的に評価
✅ 児童書から大人向けまで幅広い洋書をレベル分け
✅ YL0.0単位の細かい区分で、初心者向けの本を選びやすい
Lexile指数の特徴
✅ ネイティブ向けの読解レベルを数値化した指標
✅ 語彙の難しさ・文の構造の複雑さに基づいて算出
✅ アメリカの教育機関などで広く使用
✅ YLよりも指数の幅が広い(150L ~ 1700L)
YLは日本人英語学習者向けに設計されているのに対し、Lexile指数は英語ネイティブ向けの指標という点が大きな違いです。
どちらを基準に選ぶべきか?

(出典:英検)

YLとLexile指数のどちらを基準にすれば良いか迷った場合、
以下のポイントを基に選ぶのがおすすめです。
①英語学習初心者・多読を始めたい人 → YLを基準に選ぶ
初心者ならYLを基準に選ぶことで、レベルに合わない本を間違えて選んでしまうリスクを減らせます。
例えば、YLを基準にすれば、Diary Of A Wimpy Kid よりも Harry Potter and the Philosopher’s Stone の方が難しいことが分かり、適切な本を選びやすくなります。
特にYL0~YL3は特に細かく分類(0.1単位)されているため、初心者でも段階的にレベルアップしやすいのが特徴です。さらに、YLは日本人向けに作られているため、文化的な背景知識が少なくても理解しやすい点もメリットです。
②ある程度英語が読める・ネイティブ向けの本を選びたい人 → Lexile指数を活用
ある程度英語が読めるようになったら、Lexile指数を活用するのがおすすめです。
Lexile指数はアメリカの教育機関が推奨するレベルに基づいており、YLの基準では見つけにくい本のレベルや、新刊の難易度を把握するのに役立ちます。
また、YLに対応していない本でも、Lexile指数を確認すれば、アメリカの学校でどの年齢層の子どもが読む本なのかが分かり、より幅広い選択肢を持ちやすくなります。
③YLとLexile指数を組み合わせて選ぶ
児童書や一般書の中にはYLが設定されていないものもあるため、YLを基準にしつつ、Lexile指数も参考にするのがベストです。
具体的には、まずYLで大まかな難易度を確認し、次にLexile指数で細かいレベル感をチェックすることで、より自分に合った本を見つけやすくなります。

YLとLexile指数、どちらも活用するが大切なんですね。

YLとLexile指数をうまく組み合わせれば、
英語の多読を無理なく続けられますよ。
LexileとYLの英検・TOEICのレベル換算表
英語多読を始める際に、Lexile指数やYL(読みやすさレベル)が 英検やTOEICのどのレベルに相当するのかを知っておくと、本選びの参考になります。
以下に、目安となる換算表を掲載します。
Lexile・YL・英検・TOEICレベル対応表
YL | 英検 | TOEIC・R スコア目安 | Lexile 指数 |
---|---|---|---|
0.0-0.9 | 5級~3級 | 60 ~ | ~ 400L |
1.0-1.9 | 準2級 | 115 ~ | ~ 650L |
2.0-2.9 | 2級 | 275 ~ | ~ 850L |
3.0-3.9 | 準1級 | 385 ~ | ~ 1100L |
4.0-4.9 | 準1級~1級 | 445 ~ | ~ 1250L |
5.0以上 | 1250L 以上 |
英検・TOEICスコア別のおすすめレベル
YLやLexile指数のレベルを知っていても、実際にどの本を選べばよいのか迷うことがあります。

以下に、英検・TOEICスコア別におすすめのレベルと本を紹介します。
多読初心者向け(YL0.0-0.9 / Lexile ~400L / 英検5級~3級)
特徴:絵本・児童書が中心。語彙がシンプルでイラストが豊富なため、文章を理解しやすい。
おすすめ本
- Oxford Reading Treeシリーズ(YL0.0-1.0 / Lexile 150L~)
- Step into Reading Step 1(YL0.2-0.3 / Lexile 150L~)
中級者向け(YL1.0-2.9 / Lexile ~850L / 英検準2級~2級)
特徴:短めの小説や簡単なノンフィクションが読めるようになる。ストーリー性がある本を楽しめるレベル。
おすすめ本
- Frog and Toadシリーズ(YL1.2-1.6 / Lexile 400L~)
- Zack Filesシリーズ(YL2.5-3.5 / Lexile 420L~)
- Marvin Redpostシリーズ(YL2.5-3.5 / Lexile 510L~)
上級者向け(YL3.0以上 / Lexile 850L~1250L / 英検準1級~1級)
特徴:ネイティブ向けの小説も読めるが、最初は比較的簡単なものを選ぶとよい。
おすすめ本
- THE SAGA OF DARREN SHAN(YL5.0-6.0 / Lexile 790L~)
- HOLES(YL6.0-7.0 / Lexile 660L)
スコア換算時の注意点
- 数値にはブレ幅があるため、YL・Lexileだけで本を選ぶのではなく、実際に読んでみて確認するのが大切。
- 「YL4.0=英検準1級レベル」というわけではなく、あくまでリーディングの目安。
- TOEICや英検で高スコアを持っていても、多読に慣れていないとYLの低い本でも難しく感じることがある。
YL・Lexileを活用!自分にぴったりの洋書の選び方

ここからは、YLとLexile指数を活用して、自分に合ったレベルの本を選ぶ具体的な方法を見ていきましょう。

まずは、YLレベルの選び方について解説します。
YLレベルを選ぶ目安
YL(読みやすさレベル)は、多読向けの本の難易度を示す指標です。YLのレベルを選ぶときは、「読む速度」を基準にするのがポイントです。
以下の表を参考に、自分に合うレベルをチェックしてみましょう。
読む速度(分速) | おすすめの対応策 |
---|---|
80語以下 | レベルを下げた方がよい |
100語以上 | レベルを上げてもよい |
また、以下の点にも注意しましょう。
- 和訳しながら読んでいないか
- 何度も前の文章に戻らずに理解できているか

まずは「スラスラ読める」レベルから始めるのがコツ!
YLの詳しい説明や調べ方については、以下の記事も参考にしてください。
洋書多読のYLとは?読みやすさレベルと語数の調べ方を解説!
Lexile指数の難易度の目安
Lexile指数は、文章の単語の難易度や文の構造の複雑さを数値化した指標です。
一般的な学年ごとの目安は以下の通りです。
目安の学年 | Lexile指数 |
---|---|
小学生向け | 約150L ~ 1000L |
中学生向け | 約1000L ~ 1300L |
高校生以上向け | 約1100L 以上 |

あくまでも目安ですが、1000Lを超えると難しいレベルと考えられますね。
Lexile指数を基にした本の選び方
自分のLexile指数と本のLexile指数を比較することで、どの程度理解できるかを予測できます。
Lexile指数 | 読み手の本のLexile指数 | 想定される 文章の理解率 |
---|---|---|
1000L | 750L | 90%以上 (ほぼ理解できる) |
1000L | (やや難しいが読める) | 75%|
1250L | 50% (かなり難しい) | |
1500L | 25% (ほぼ理解できない) |

自分のLexile指数より高すぎる本は、理解が難しくなるため、無理のないレベルから始めることが大切です。
Lexile指数について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
Lexile指数とは?調べ方は?英検・TOEFL・TOEIC目安も解説!
絵本なら簡単なの?
引用元:古川昭夫著:英語多読法|酒井邦秀著:快読100万語!ペーパーバックへの道
「絵本を読むのはどうかな…」そんな悩みを解決するために、多読に関する書籍を基に会話形式で解説します。

洋書を読みたいのですが、どの本を読めばいいですか?

「ペーパーバックを日常的に読んだことがない」という人は、だれでもYL0のピンクレベルから読み始めるべきです。

絵本なら簡単そうだから、大丈夫ですよね?

一概にそうとは言えません。
例えば、『これが正しい!英語学習法』では、中学生が読める絵本として、「Peter Rabbit」を紹介していますが、実は高校レベルの文法が含まれています。
Peter Rabbit 1巻P34-35

After losing them, he ran on four legs and went faster, so that I think he might have got away altogether if he had not unfortunately run into a gooseberry net, and got caught by the large buttons on his jacket. It was a blue jacket with brass buttons, quite new.
引用元:Peter Rabbit 1巻P34-35

🔍この一文のポイント
✅ after losing(前置詞 + 動名詞)
✅ so that(結果を表す表現)
✅ if he had not…(仮定法過去完了)
特に if he had not… という仮定法過去完了の文法は、高校レベルの文法です。中学生には難易度が高すぎるのが分かりますね。

絵本を甘く考えていました。

YL0のピンクレベルからスタートし、無理なくレベルアップしていくことが大切ですね。
Peter Rabbit のレベル
タイトル | YL | Lexile指数 |
---|---|---|
The Tale of Peter Rabbit | 3.0 | 610L |
「絵本=簡単」と思わず、YLやLexile指数を参考にしながら、適切なレベルを選ぶことが大切です。
本を選ぶ際の注意点
本屋で「英検○級以上」や「TOEIC○点レベル」と表記された本を見かけることがありますが、英語多読用の本選びにはYLやLexile指数を確認するのが重要です。
その理由は?
英検やTOEICのレベル表示は 「語彙や文法の難易度」を示す目安であり、多読用の本の文章の読みやすさとは異なるからです。
そのため、多読を始める際は次の基準で本を選ぶのがおすすめです。
- 初心者(YL0.0~2.9) → YLを基準に選び、無理なく読める本を選ぶ
- 中級者以上(YL3.0~) → YLとLexile指数を組み合わせて適切なレベルの本を探す

YLやLexile指数を活用しながら、自分の英語レベルに合った本を選びましょう!
多読に役立つおすすめ本

英語多読を始めるなら、以下の2冊が参考になります。
①『快読100万語!ペーパーバックへの道』(酒井邦秀 著)
日本に「英語多読」を広めた第一人者・酒井邦秀氏による実践書。多読の進め方や効果的な学習法が詳しく解説されています。

②『英語多読法』(古川昭夫 著)
英語を克服するために多読を実践し、指導するようになった古川昭夫氏の経験が詰まった1冊。多読のメリットや続けるコツが学べます。


どちらも、英語学習の考え方を変えてくれる本です。
多読に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください!
まとめ|YLとLexileを活用して最適な洋書を選ぼう

この記事では、YLとLexileの違いと活用方法について解説しました。
YLとLexileの活用ポイント
- YL:日本人英語学習者向け → 初心者におすすめ
- Lexile指数:ネイティブ向け → ある程度英語が読める人向け
- どちらも参考にすれば、より自分に合った本を選べる!
多読の成功の鍵は「適切な本選び」
繰返しになりますが、洋書を読むうえで大切なのは、自分のレベルに合った本を選ぶことです。
実際に、11年間で約1,700万語を読んできましたが、一番苦労したのは「どの本を選ぶか」でした。 最初の数年間は、本の選び方がわからず、難しすぎる本を選んでしまい、挫折しそうになったこともあります。
そんな中で YLとLexile指数を活用することで、本選びのコツがつかめるようになりました。 レベルを事前に確認してから読むことで、「難しすぎて読めない → 挫折する」 という悪循環を防ぎ、継続しやすくなったと実感しています。
YLとLexileを上手に活用しながら、自分に合った本を見つけ、楽しく多読を続けていきましょう!
📚 参考記事:「11年間洋書を読む英語学習を続けたら効果がすごかった!」もぜひご覧ください。