このような 疑問はありませんか?
- 英語学習で、洋書を読みたい!
- 多読を始めたいけど、本選びに困っている…。
洋書読書(多読)の勉強方法をメインに、約1700万語を読んできました。
この記事では、洋書の本を読むために知っておきたい難易度について、「洋書の探し方(YL指数・Lexile指数レベル」と「多読をするにはどのレベルの本から読むべきか」「LexileとYLの英検・TOEICのレベル換算表」をブログでまとめました。
洋書を読みたい方・多読を始めたけど本選びに悩んでいる方やおうち英語学習をしている親子の方の参考になれば幸いです。
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親は英語が苦手でした。子供は、塾なしの英語多読メインで、中学生で『英検1級』を取得!
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洋書選びのコツ
日本人が和書を選ぶ際には、児童書や一般向けなどのカテゴリーに分けられた基準を参考にし、読者が自分の基準に基づいて本を選ぶことが一般的です。日本語の本は、主に日本人が読むことを前提にしているため、大まかなカテゴリーでも本を選ぶことを難しいと感じることは少ないです。
一方で、洋書は英語が母国語の人もいれば、第2外国語として学ぶ人もいるため、様々な年齢層やバックグラウンドを持つ多様な学習者の英語のリーディングスキルにあわせて、本をカテゴーリー以外にも難易度によるレベル分けがされています。そのため、学習レベルに応じた本を選ぶことが可能です。
洋書を読み進めるためには、このようなレベル分けされた指標を活用することが重要です。
日本語の本だけを読んでいると、本のレベル分けに馴染みがないですね。
LexileとYLを比較
洋書のレベル分けの種類は多岐にわたりますが、今回は以下の2つの指標に焦点を当て比較して説明します。
Lexile(レクサイル)指数から説明しますね。
➊Lexile(レクサイル)指数とは
英語学習者向けにアメリカのMetaMetrics®社が開発した指標です。
Lexile指数 | |
---|---|
機関 | アメリカのMetaMetrics®社 |
対象 | 英語学習者 |
活用 範囲 | 世界165か国以上 アメリカでは、小学3年生~高校3年生の約半数が、英語能力テストの結果とともにLexile指数の判定を受けています。 |
基準 | 語彙や文法 構文の複雑さ 総語数 |
指数範囲 | 約150から1700 |
一般的なLexile指数の目安
目安の学年 | Lexile指数 |
---|---|
初等学校向け | 約200L ~ 600L |
中学生向け | 約600L ~ 1000L |
高校生以上向け | 約1000L 以上 |
あくまでも目安になりますが、1000Lを超えると難しいレベルだと想像できますね。
Lexile指数から本を選ぶ基準
読み手の Lexile指数 | 本の Lexile指数 | 想定される 文章の理解率 |
---|---|---|
1000L | 750L | 90% |
1000L | 75% | |
1250L | 50% | |
1500L | 25% |
自分のLexileレベルより高いものを選ぶと読んでいたも理解度が低くなってしまうため、レベルを下げて挑戦するのがオススメです。
Lexileに関するくわしい情報は、以下でまとめていますので、ご参考ください。
❷YL(Yomiyasusa Level)とは
日本の学習者向けにSSS研究会が独自に本の難易度を定めた指標です。
YL指数 | |
---|---|
機関 | SSS(Starts with Simple Stories)研究会 |
対象 | 日本人の英語学習者 |
基準 | 語彙や文法 文のつながりや長さ 文字の大きさや行間の読みやすさ 挿絵などの見た目 文化的、背景知識 総語数 |
指数範囲 | 0.0から9.9 |
日本人学習者向けに文化的、背景知識を考慮しているのが、興味深いですね。
YLのレベルを選ぶ基準
読む速度 | 基準 |
---|---|
分速 80語以下 | レベルを下げた方がよい |
分速100語以上 | レベルを上げてもよい |
読む速度はあくまでも目安です。
読む過程で和訳しながら読んでいないか、文章の理解度も考慮する必要があります。
YLに関するくわしい情報は、以下でまとめていますので、ご参考ください。
YLとLexile指数のレベル目安
順 位 | 書籍名 | YL | Lexile |
---|---|---|---|
1 | I Can Read Biscuit Loves the Library | 0.4 | 230 |
2 | Nate the Great | 1.2 | 340 |
3 | Oxford Bookworms Library Level 1:The Monkey’s Paw | 2.0 | 420 |
4 | Magic Tree House #1: Dinosaurs Before Dark | 3.0 | 510 |
5 | Diary Of A Wimpy Kid | 3.5 | 950 |
6 | Wonder | 5.0 | 790 |
7 | Harry Potter and the Philosopher’s Stone | 8.0 | 880 |
YLとLexileをそれぞれの指数を記載していますが、YLを基準として並べています。
「Diary Of A Wimpy Kid」と「Harry Potter and the Philosopher’s Stone」を比較した場合
指数 | 難易度 高 | 難易度 低 |
---|---|---|
YL | Harry Potter and the Philosopher’s Stone | Diary Of A Wimpy Kid |
Lexile | Diary Of A Wimpy Kid | Harry Potter and the Philosopher’s Stone |
2冊の本で難易度が異なっています。
Lexile指数で判断すれば「Diary Of A Wimpy Kid」が一番難しい本と評価されています。
しかし、YLの判定では「Harry Potter and the Philosopher’s Stone」が一番難しい本となっています。
YLとLexile指数どちらで本を探せばいいのか
YLとLexileの相関調査
<POINT >
洋書読書(多読)を軌道に乗せるために、YLとLexileのどちらを参考にしたらいいのかという疑問において、藤井数馬さんが調査を行い結論を出しています。
多読開始時のYL0からYL3までは、YLを基準に本を選んでいました。
Lexileで読めそうだと判断できても、YLを確認することにより適切な難易度を知ることができました。
YLとLexile指数で比較してから、読み始めることも重要だね。
LexileとYLの英検・TOEICのレベル換算表
本屋さんで、「英検○級以上やTOEIC○点」と書かれている本があっても、英語多読をする際には、その情報だけを頼りにせず、本のYLやLexile指数を確認することをおすすめします。
多読をスタートするレベル目安とは
洋書を読みたいのですが、どの本を読めばいいですか?
「ペーパーバックを日常的に読んだことがない」という人は、だれでもYL0のピンクレベルから読みはじめるべきです。
絵本なら簡単そうだから、大丈夫ですよね。
これは、中学での英語教育の現状を知らない方の暴論と言わざると得ません。
そうなんですね。
具体的に教えて下さい。
After losing them, he ran on four legs and went faster, so that I think he might have got away altogether if he had not unfortunately run into a gooseberry net, and got caught by the large buttons on his jacket. It was a blue jacket with brass buttons, quite new.
引用元:Peter Rabbit 1巻P34-35
Petter Rabbit の1巻の34-35ページですが、すぐ意味がとれたでしょうか?
読解のポイントをあげると、前置詞 after の後に losing が続く形、結果を表す so that、if he had not…は仮定法過去完了形が使われています。
これらは、高校で学ぶ文法項目で、詳しく説明すると1時間の講義が出来ます。
そして、after から his jacket まで41語もあり、中学3年生の英語力で理解するのは至難の業です。
絵本を甘く考えていました。
子ども向けの名作を読むには、3000語を知っていれば十分です。
「不思議の国のアリス」、「オズの魔法使い」で知らない単語がでてくることはないといえます。
3000語とは相当なレベルですね!
YL0のピンクレベルからのスタートし、易しいレベルから始めるのが大事ですね。
<ピーターラビットのレベル>
タイトル | YL | Lexile |
---|---|---|
The Tale of Peter Rabbit | 3.0 | 610L |
参考になる本の紹介
洋書多読の書籍を紹介します。
多読に共鳴し、「SEG」で多読を指導する古川昭夫氏の1冊。
「多読」第一人者酒井邦秀氏が教える、多読の実践法がつまった1冊。
記事の中で紹介した書籍について知りたい方は、ぜひご一読ください。
まとめ
洋書の読書の成功の鍵は、本のレベルを知り、正しい選書をすることです。
実際には、11年間で約1700万語を読みましたが、一番大変なことは、本を選ぶことでした。最初の数年間は本を選ぶことの難しさをとても感じていました。
当時はYL指数しか知らなかったため、調べて分かる本なら問題なかったのですが、本屋のセールや図書館で見つけた本を読もうとしてもレベルが分からないものもあり苦労しました。
そんな中で洋書を探していく過程でLexile指数に出会いました。それからは、YLとLexileの二つの指数を参考にし、本を選ぶことができるようになり、選書が楽になりました。
また、レベルを確認してから読むことで、読んで挫折する悪循環が起きにくくなり、継続につながったと感じています。(11年間の読書記録の記事はこちらです。)
洋書の読書を始めたい方や多読を継続中で選書に悩んでいる方の本選びの参考になれば嬉しいです。
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